賤ヶ岳リフト、再開願う
大音集落では13日、「第34回賤ヶ岳祭り」がありました。地域の人たちは、出店で販売する朴葉寿司の朴葉やヨモギ餅のヨモギを山に集めに行ったり、会場周辺の草刈りをしたり、幾日も前から祭りの準備に大忙し。当日はあいにくの雨でしたが、雨具を身につけた親子連れで賑わいました。
さて、祭りの舞台になっている賤ヶ岳は、羽柴秀吉と柴田勝家が覇権を争った古戦場として有名ですが、今の時期は「賤ヶ岳リフト」の真下に群生するシャガの花が最盛期を迎え、例年各地から多くの観光客が訪れてくださる花の名所でもあります。しかし、今年は大変残念なことに、春に起きた土砂崩れのためにリフトは運休中。
管理する近江鉄道によると、山頂近くで約10㍍が崩落し、復旧のめどは立っていません。
リフトの利用者数は、1959年の営業開始以来、大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」が放映された2011年の3万7千人をピークに約2万人減少。運営難の中、修繕費を誰が負担するのか、このまま復旧されない可能性も含めて、関係者で協議中とのことでした。
山頂で語り部を務めてきた地元の方々も高齢のため、徒歩で山頂に登り続けるのは厳しく、来月からリフト再開まで活動中止を検討されるそう。語り部のおじいさんは「集落の歴史を伝える機会がなくなってしまう」と案じます。半世紀以上、地元とともに歩んできたリフト。再開を心待ちにしています。(2018年5月・朝日新聞滋賀版)