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湖北のイチゴ 寒さが美味しさの秘訣


 湖北に移住して感激した食べ物のひとつが摘みたてのイチゴ。美味しさを教えてくれたのは、道の駅「湖北みずどりステーション」に隣接したビニールハウスでイチゴを栽培している松本靖夫さんです。  松本さんは「章姫」「かおりの」など4種類のイチゴを栽培。最盛期は1~3月です。昨夏の台風でハウスのビニールが破れて飛ばされてしまうなどの被害にあいましたが、なんとか今シーズンも収穫に間に合いました。  松本さんによると、湖北のイチゴの美味しさの秘密は「寒い冬」。イチゴは光合成をすることにより糖分が上がるため、日照時間が長く、気温が低いことが美味しさの条件。寒いとゆっくり赤くなるので糖度がじっくり上がり、暖かいと甘くなる前に赤くなり、身がだれてしまうそうです。  湖岸のハウスでは章姫が真っ赤に熟していました。市場に出荷するイチゴは完熟前に摘み取ってパックに詰めます。最も糖度が高いという完熟の実を食べられるのは直売所まで足を運ぶ特権。ヘタ近くまで真っ赤になったイチゴを選んで口に入れると、実が締まって食べ応えがあり、しっかりと甘く、果汁があふれ出します。  「実の先が一番甘いから、ヘタの方から口に入れると最後まで美味しく食べられるよ」と教えてもらったのに、やっぱり先っぽにかぶりつきたい私でした。(2019年2月・朝日新聞滋賀版)

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