お母さんたちの手作りおかき、美味しいよ!
産休中のお店ですが、時々賑やかな声が聞こえてくることがあります。大音の住民でつくる「賤ヶ岳やまの会」の販売部の女性たちの笑い声です。
古民家「源左」は、私たちがお店を開く前から女性たちの活動の場でした。私たちが「店を始めたい」と相談すると、一緒に使うことを快諾してくれ、集落での生活の相談に乗ってくれたり、店に食べに来てくれたり、応援を続けてくれています。
女性たちは、祭りで振舞う朴葉飯やよもぎ餅などを作っていますが、特に木ノ本駅で販売しているおかきが私は大好物。サクッとした食感とほのかなお米の甘みが病みつきになる美味しさで、柚子、かぼちゃ、人参、カレーなど10種類以上の味から8枚が選り抜きで詰め合わせてあるので、飽きずにばくばく食べられます。
材料のかきもちは冬の間に1年分を仕込みます。大音産のもち米をついた餅に、摘んできたよもぎや、蒸してつぶした野菜などを練り込み、乾燥させて保存します。食べるときに、油で揚げるとフワァッと膨らみ、美味しいおかきの出来上がりです。
月に数回あるおかき作りの日ですが、作業後に規格外のおかきをつまんで過ごす時間も楽しみのひとつ。私も呼ばれて一緒におしゃべりすることも。パワフルな大音のお母さんたちに叱咤激励されながら、温かく集落に受け入れてもらえていることに感謝が募るひとときです。
(2018年朝日新聞滋賀版)